ワイナイナランニング教室|東温ランニング

ワイナイナランニング教室|東温ランニング

過去のイベント

ワイナイナランニング教室を開催しました!

『ワイナイナ』と言われて「あの、マラソンの・・・」と答える人が3割、「聞いたことがある」人が3割、残りは「知りません」。
オリンピック出場を目指すアスリートにとってもメダリストは雲の上の存在、努力や才能だけでは到達しえない境地を垣間見た特別な人。
イベント構想から一年弱、紆余曲折を経てケニアが生んだ日本の至宝、世界のマラソンスーパースターが愛媛県東温市に来てくれました。

10月29日(土)、一番の心配の種であった天気は『快晴』、絶好のランニング日和です。
満面の笑顔でやってきたワイナイナさん、
『こんにちわ~、皆さん元気ですか?』
流ちょうな日本語のあいさつで教室開始です。
細くて長い足、きれいな立ち姿、優しい語り口、小学生たちの目は釘付けです。
ウォーニングアップを兼ねた体の動き作りも真剣かつ楽しそうに取り組んでいます。
そしてランニングは東温市総合公園が誇る450mゴムチップ周回路を10周!
ワイナイナさんと一緒に走りたい子どもたちは必死に付いていきます。
周回を重ねるごとにペースを上げてふるい落とされていく様は、まるでトップ選手のマラソンレースのようです。
美しいランニングフォームで子どもたちに声をかけ続けるワイナイナさんは汗はかいているものの余裕の表情です。
トップ集団は㌔4分を切るペースでフィニッシュ、普段は走らないであろうハイスピードで4.5㌔を完走しました。

幼児教室は親子での参加です。
身体を動かすことが大好きなちびっ子たちは、始まる前から元気いっぱい走りまわっています。
新聞紙を使ったランニング、周回路走、普段走ることの少ないお父さん、お母さんの中にはかなりしんどそうな表情の方もチラホラ見られました。
楽しく体を動かすこと、速く走ることの中には様々なテクニックが必要であり、ちょっとした動作に多くのコツが隠されていることを気づかされる、これから運動能力がぐんぐん伸びていく幼稚園児たちには大変有意義な内容でした。

ワイナイナさんの宿泊は市内中心部から10㌔ほど離れた井内地区の『ぼたん茶屋』。
日本在住は20年を超えるそうですが、囲炉裏(いろり)を見るのは初めてで興味津々。
日本食は何でも好き、特にどんぶりものとうどんが好物、マラソンで強くなりたいのであればなんでも好き嫌いなく食べることが大切、と力説していました。
お酒もなんでも飲むワイナイナさん、東温名物の『どぶろく』がことのほか気に入ってしまい、「マッコリに似てるけど、ちょっと違う。おいしい、おいしい」とここだけの話、●本空けてしまいました。
翌日もランニングがあることを心配する周囲をよそに飲んではしゃべる姿は、『全力で取り組み、心から楽しむ』ことの大切さを語っているようでした。
みんなのお酌をして回り、生醤油を愛でて、面白エピソードを披露するワイナイナさんとの楽しいお食事会は夜更けまで続きました。

キッチリと仕事こなすのがプロの基本、飲み過ぎをおくびにも出さず30日(日)午後は社会人対象の教室です。
楽しく楽に走るためには、柔軟性・体幹・バランス・・・。大切なことはたくさんあります。
「ランニングの練習は走るだけじゃないです。100種類はあります。色んなことをしていくと速くなります」
メダリストの言葉は心に響きます。
一人でしたら面白くもなんともないメニューを軽妙な話術で最高の練習にしてしまいます。
日本は最高、カバはまっすぐしか走れない、池からワニが出てくる、山ではライオンに注意、話のタネは尽きることはありません。
快晴の重信川周回路は最高の景色が広がっています。風が少し強いものの、寒くも暑くもない気温。
先導の自転車を目標にランニング開始、ワイナイナさんの足音、腕振り、姿勢、視線、すべてがお手本です。
教えられて身に付く技術は子どもの技術、本当の技術は感じるものだ、江戸の頑固職人たちの親方はこううそぶいていたそうです。
「ダラダラ走っていてもダメ、しっかり走った方が気持ちいいよ」。
小学生同様にペースを上げていって最後は本番さながらのスピードでゴール。
ワイナイナさんに最後まで付いて行った面々は大満足の表情です。
ハイタッチでたたえたったことは最高の思い出となることでしょう。

帰りの空港までの道すがら、マラソン談議はとどまることを知りません。
キプチョゲ、瀬古さん、高橋尚子、みんなお友達。厚底シューズ論、カフェイン、炭水化物の摂りかた、高地トレーニング・・・。ドーピング問題は本当に難しい。●●の●●は●●だと思う。???

時々故障もするけど月間の走行距離は約1200㌔、マネしない方がいいよ。フルマラソン2週連続は普通に走れます、100㌔マラソンは無理だけど。足の着地は特に気にせず走りましょう、考えすぎるとフォームが崩れます。高尾山のトレイルランニングはボクが始めてコニカは強くなった、普段は土の道を走るのがベター、日本で行ったことがないのは徳島県だけ・・・。


何度も繰り返していたのが、
①ハングリーさ・・・日本は便利すぎる。一駅歩こう、階段を登ろう、公園の水道で水分補給できるよ、快適さを買っていては早くも強くもなれません。
②気持ちに向き合う・・・たまにはランニングウォッチを外して自分の感覚を磨こう。機器に頼らず、楽しい、苦しいに自ら向き合うことが大切です。
③ネバーギブアップ・・・本当の限界は自分が思っているよりももっとはるか遠くにあるものです。re練習は大事だけど『オレはできる!』と信じる気持ちがもっと大切です。

参加が危ぶまれていた特別ゲストの原真礼さんも、忙しいスケジュールを何とか調整して来場していただきました。持ち前の明るさでワイナイナランニング教室を盛り上げて下さり、イベントに花を添えてくれました。

空港へ送り届けたあと、われわれの車が見えなくなるまで見送ってくれたワイナイナさん、彼はどこまでも日本的な世界のマラソンスーパースターです。
愛媛県東温市に広くて大きい足跡を残していったワイナイナさん、大変満足して東京への帰途につきました。